2013.08.20

【世界陸上】リオデジャネイロ五輪へ、期待を抱かせてくれた若手たち

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田純●写真 photo by Tsukida Jun

最終日の4×100mリレーでは第一走者を務め、日本の6位入賞に貢献した桐生祥秀(右)と藤光謙司 8月18日に閉幕した世界陸上。大会前に期待を集めた男子短距離は、初日から逆風にさらされた。男子100m予選では、桐生祥秀(17歳)と山縣亮太(21歳)がともに、100分の数秒に泣かされたのだ。

 予選第2組の桐生は緊張しながらも合格点のスタートを切ったが、最後は0秒01競り負け10秒31の4位で敗退となった。

 桐生は「60~70mくらいまではうまくいったが、最後の1、2歩でちょっとゴールインを急いで、体を倒してしまった。それで抜かれたというのがあるので......」と反省する。それでも「(男子100mに関して)この大会を経験してまた強くなろうと思えました」と、予選敗退も今後につながるものとして、前向きに捉えていた。

 そんな桐生を日本陸連の伊東浩司男子短距離部長は「(7月30日~8月3日の)インターハイの時は世界に通用するスタートではなかったが、ここへ来てうまく修正してきた」と評価する。インターハイからの世界陸上挑戦というハードスケジュールを選んだが、桐生にとってそれは成長するためのひとつということだろう。

 一方の山縣はウサイン・ボルト(ジャマイカ)と、7月のユニバーシアード2冠のアナソ・ジョボドワナ(南アフリカ)に加え、10秒03の記録を持つ選手が2名もいる厳しい組。それでも中盤までは3位以内を維持する健闘をみせたが、70m付近で右太ももの裏側に肉離れが発生。最後はかわされて3位に0秒02差の10秒21で4位と、惜しい予選敗退をした。

「山縣は調子がいいと自他ともに認める状態で動きにもキレがあった。右隣のジョボドワナを意識していたようだが、あの中盤の位置ならいけると思ったところで肉離れをしてしまった。準決勝へいけるだけの力が十分にあっただけに残念だ」と、伊東部長が話すように、アクシデントさえ発生しければ10秒10台は出せていたはず。悔しさを残しながらも、大事を取って早めの帰国となった。