2020.06.29

「俺は最強だ!」の不屈のメンタル。
国枝慎吾が2年ぶり全豪制覇で雄叫び

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

東京五輪&パラリンピック
注目アスリート「覚醒の時」
第30回 車いすテニス・国枝慎吾
復活を遂げた全豪オープン(2018年)

 アスリートの「覚醒の時」----。

 それはアスリート本人でも明確には認識できないものかもしれない。

 ただ、その選手に注目し、取材してきた者だからこそ「この時、持っている才能が大きく花開いた」と言える試合や場面に遭遇することがある。

 東京五輪、そしてパラリンピックでの活躍が期待されるアスリートたちにとって、そのタイミングは果たしていつだったのか......。筆者が思う「その時」を紹介していく----。

ケガを克服して全豪オープンを制した国枝慎吾「New SHINGO is coming!」----新たなシンゴがやってくるんだ----。

 真夏のメルボルンの青空の下で頂点を掴んだ彼は、高らかにそう宣言した。

 これまでに得たグランドスラム・車いす部門シングルスのタイトル数は、すでに20を数えている。それでも彼は、勝利の瞬間に天を仰いで涙をこぼし、「今回の優勝が一番うれしい」と断言することをためらわなかった。