2020.02.06

別大マラソンで世界新が2つ。
視覚障害マラソンで日本の強化策が実る

  • 星野恭子●取材・文 text by Hoshino Kyoko
  • 吉村もと●写真 photo by Yoshimura Moto

伴走者の志田淳さんと世界記録でゴールした道下美里選手 2月2日、大分市と別府市に広がる42.195㎞のコースで行なわれた第69回別府大分毎日マラソン大会は、東京パラリンピックの視覚障害男女マラソン日本代表推薦選手を決める最終選考レースも兼ねていた。視覚障害の部女子は道下美里(三井住友海上)が2時間54分22秒をマークし、自らの持つT12(重度弱視)クラス()の世界記録を更新する快挙で2連覇に花を添えた。
(※)視覚障害のクラスは障害の程度により、T11(全盲)、T12(重度弱視)、T13(軽度弱視)の3つに分かれる。

 同男子は堀越信司(NTT西日本)が2時間31分53秒で2連覇を飾った。また、女子4位に入った井内菜津美(T11クラス/みずほフィナンシャルグループ)の3時間12分55秒というタイムも、中国選手が持っていた記録を20秒縮めて世界新記録を樹立するなど、快走が光るレースとなった。

「世界記録更新」を今大会の目標に据えていた道下は狙い通りの達成に、「最高の結果。ずっと(記録更新を)目指してきて、ようやくトンネルを抜け出せた」と笑顔が弾けた。

 2017年の防府読売マラソンで当時の世界新(2時間56分14秒)を出して以来、記録が伸び悩んでいた。昨年の12月の同大会でも世界新を狙って攻めたが、後半の向かい風でフォームを崩して失速した。苦い経験をバネに、ここ1カ月半の練習で30km走や40km走を合わせて4本行なうなど十分な走り込みで脚力と自信を磨いて臨んだ今大会では、「前半は抑えて、後半にペースアップ」というプランを立てスタート。序盤から世界新ペースを淡々と刻んだ。