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車いすバスケ日本代表は、
強豪の壁を越えるために何をすべきか? (3ページ目)

  • 斎藤寿子●取材・文 text by Saito Hisako
  • photo by Yohei Osada/AFLO SPORT

「ひと言で"全員バスケ"とは言うけれど、実際には本当に難しい」と岩佐義明ヘッドコーチ(HC)がこぼすように、結果を求めたうえでの選手起用は容易なことではない。だが、目の前の結果だけにとらわれずにこうした難しいチャレンジをしているか否かが、今後の2年間で、どのような"差"となるのか、注目したい。

 10チームが参加した男子は、5チームずつ2グループに分かれての予選プールが行なわれ、日本は前回大会覇者の韓国戦を含めた4試合で全勝。順当にトップ通過で準決勝に進むと、その準決勝も中国に81-53で快勝し、イランとの決勝に臨んだ。ちょうど1年前の世界選手権予選では4点差で敗れた相手に雪辱を果たしたいところだったが、結果は66-68とわずか1ゴール差での敗戦となった。

 前半までリードしていたのは日本で、40分間中、約27分もの間リードし、イランがリードしていた時間帯は、3Q終盤以降のわずか5分。こうした時間の割合を見ると、一層悔しさが募ると同時に、最後の最後、"勝ち切る"難しさを痛感させられた。

 勝負のカギを握ったのは、後半のフィールドゴールの成功率だった。前半を終えた時点で、イランが41%に対して、日本は50%を誇った。しかし、後半は日本が34%だったのに対して、イランは53%とギアを上げてきたのだ。

 逆に予選プールの韓国戦では、前半は53%と高確率だった韓国に対し、日本は44%。しかし後半は、韓国が42%にまで落としたが、日本は49%にまで持ち直している。その結果、最大19点差をつけられながら日本は4Qで逆転し、最後は14点差まで突き放した。

 日本が後半に強いチームになりつつあることは、世界選手権の結果からも明らかで、今後はその精度を高めることが、大事な試合での"あと一歩"を乗り越えるためには不可欠となる。

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