ウィルチェアーラグビー日本代表、豪州に快勝でリオパラ出場へ (3ページ目)
特に最強ラインのファーストセットのメンバーは、合宿や遠征でミーティングを重ねていることもあり、プランごとに10cm単位で修正している連携の精度を進化させてきた。
スピードのある若山、頭脳派の今井という2人のローポインターも、日本チームが掲げるスローガン『タフなラグビー』を体現するかのように最後まで走り切った。
オーストラリアのブラッド・ダボリーヘッドコーチも、「日本には素晴らしいハイポインターがいるが、(ローポインターの)彼らの活躍がなくては優勝できなかったと思うよ」と2人を称えた。
今大会で1.0クラスの個人賞を獲得した今井は「この2勝でメダルに近づくことができた。息の合ってきたライン間の精度をさらに高めたい」と確かな手応えを口にしている。
とはいえ、今大会のオーストラリアは、主力のローポインター2人が来日していない。「経験の浅い選手を連れてきたオーストラリアは、パラに向けてもっと強くなると感じた」と池は気を引き締める。
また、日本の今年一番のテーマは第2、第3のラインの強化だが、勝利したオーストラリア戦2戦は、島川のほかはスターティングメンバー以外の選手に出場機会がなかった。
リオでメダルを獲るには、オーストラリア、カナダ、アメリカの3強を崩さなければならない。
「(同じハイポインターとローポインターが主力の)オーストラリアは相性がいいけれど、カナダとアメリカは、他のラインを使わなければ勝てない」と池が語るように、ラインナップの底上げはメダルを狙う上で必要になる。
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