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【ミラノ五輪】アリサ・リュウ「金メダル破損事件」の背景 「サステナブル」はいいけれど...... (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

【コストカットは必要だが......】

 一昨年のパリ五輪でもエッフェル塔の廃材を使ったことでメダルが変色するというウソのような問題が出た。再利用は大事なことだし、お金をかければいいというわけではないが、これでは大舞台に挑み、メダルを目標とする選手への敬意を欠いているのではないか。

「サステナブル」「エコロジー」......。

 どんな大会であれ、関係者がこういった言葉を使う時はよくよく吟味すべきである。運営側がそれを旗印にするのは、単なるコストカットにすぎないことが往々にしてあるからだ。

 一方、フィギュアスケート団体では、表彰台に上がった選手たちが靴のブレードを損傷する"事件"も起こっている。銀メダルを獲得した日本人選手たちも、「刃こぼれした」と話しており、ザラザラとした表面でブレードを傷つけてしまったという。フィギュアスケートはほんのわずかなエッジの感覚が演技を大きく左右する。選手たちはその後、刃の研磨を受けたというが、これから個人戦が続くだけに看過できない事態だ。

 これは単純に、台の上をコーティングする作業を怠ったことが原因だとされる。こちらも組織委員会が謝罪することとなった。

 ちなみに、今回のオリンピックでのメディアに対するホスピタリティは極めて限定的である。

 たいていのオリンピックではメディアに対し、運営側から何らかの記念品のようなサービスがある。水筒やボールペンなど、それが本当にほしいかどうかは別にして、心尽くしを感じさせる品物だ。20年前、同じイタリアのトリノ五輪を取材したときは、リュックやスキンケアグッズやノートやペンやポーチなどお土産セットのようなものが出ていた。

 また、メディアセンターでは、日夜働く記者たちのために、ミネラルウォーターやホットコーヒーだけでなく、軽食が用意されていることが多い。しかし、ミラノではお湯があって、インスタントのコーヒーやティーパックがあるだけ。軽食どころか、水のペットボトルもない(なぜか一度だけ、アイスホッケー会場でスポーツ飲料のペットボトルがあった!)。

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