【カーリング】「打倒ロコ・ソラーレ」なるか 時代を変えるのはSC軽井沢クラブか、フォルティウスか (2ページ目)
「自分たちがやりたいことをやりきる」(金井亜翠香)
「自分たちが(国内チームと比較して)どこ(のポジション)にいるのか、確認しながら一歩ずつ成長したい」(上野結)
「オリンピックに向けて(チームは)日々成長している。それをみなさんにどうお見せできるのか、ワクワクで仕方ない」(上野美)
選手それぞれがそうコメントしたように、SC軽井沢クラブはどちらかといえば挑戦者の立場にあるかもしれない。だが、持ち味であるリスクを恐れないカーリングは、そのマインドにマッチしている。三浦の加入が起爆剤になれば、夢舞台も見えてくる。
一方、昨季の女王フォルティウス。日本代表決定戦を前にして、この夏は北海道ツアー2大会に出場したが、初戦の稚内みどりチャレンジカップでは、ミスが生まれたり、ショットがつながらなかったエンドで負の連鎖が発生。傷口を広げてしまい、大敗するゲームも見られた。
スキップの吉村紗也香は、「プランどおりにいかなかった時、プラン変更の意思疎通を意識したい」と反省。翌週にホームアイスで迎えたどうぎんクラシック(札幌市)では、予選のSC軽井沢クラブ戦こそ大敗を喫したものの、その後のプレーオフでは切り替えて、見事に優勝を飾った。
チームとして、修正力の高さを身につけつつあるようだ。また、フィフスにどのポジションもこなすことができる小林未奈が控えているのも、堅実な武器と言える。
どうぎんクラシックを終えたあと、8月中旬からは韓国に渡航。2018年の五輪会場である江陵カーリングセンターで、日本でも「メガネ先輩」の愛称で知られるキム・ウンジョン率いるチームなど韓国トップクラスの3チームを相手に、日本代表決定戦と同じスケジュールで8試合を消化し、予行演習を行なった。その後、8月末からは稚内で最終調整するなど、念入りな準備を重ねた。
もともと実績と経験は備えている。昨季の日本選手権でMVPを獲得したサードの小野寺佳歩、世界選手権でショット率93%を超えたリードの近江谷杏菜。彼女らのハイパフォーマンスをつなぐセカンドの小谷優奈が2本のショットをそろえることができれば、吉村の決定力でロコ・ソラーレとも、SC軽井沢クラブとも、互角以上に戦えるだろう。
吉村はこの代表決定戦に向けて「プレッシャーはあるか?」と質問を受け、「しっかり準備ができていると、同じ緊張でもソワソワではなく、ワクワクのほうが強い。緊張に関しては、怖いものではなく、逆に自分がいい状態に持っていけている証拠。緊張できないと怖いですね」と回答。精神状態も理想的なところにたどり着いているようだ。
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