角田夏実、引退や結婚・出産に揺れる胸の内 80歳現役を目指す石井寛子は競技への思いや恋愛事情を明かす (6ページ目)
石井 世界選手権には何人行けるんですか。
角田 基本的には各階級ひとりだけです。男女とも7階級あるんですが、男子だと90kg級と66kg級、女子だと78kg級と52kg級には、二枠用意されています。でもオリンピックに出場できるのは各階級ひとりだけです。
石井 狭き門ですね。
角田 あとは私も出場したんですが、全日本柔道選手権大会といって、階級の区分がなく無差別のみで行なわれる大会があります。それも先日終わってしまったんですが、男子の大会では、これが一番盛り上がっている感じがしますね。
石井 全然体格が違う選手が戦う大会ですよね。一番大きな階級でも勝てなかったりするんですか。
角田 その大会はルールが少し違って、延長戦がなくて旗判定になるんですね。体が大きすぎてあまり動きがないと判定で負けちゃうから、素早く動けるくらいの体格でパワーもあって攻められると強かったりします。でも掴まれたらやっぱり大きいほうが強いので、そのへんの駆け引きが見ていて面白いです。
石井 楽しそう。
笑顔で語り合った角田と石井 photo by Noto Sunao(a presto)この記事に関連する写真を見る
――最後に、ファンのみなさんに向けて、それぞれの競技の魅力とメッセージをお願いします。
石井 男子選手のレースを見て難しさを感じる人は、まず女子のレースを見るといいかもしれません。それぞれの選手に競走得点というのがあって、その得点の高さが強さの指標になりますので、その視点で見てもらうと面白いと思います。まずはみなさんに観に来てほしいですし、注目していただきたいですね。
角田 柔道は私が感じるくらい、結構ルールが変わるので、観ている方はとくに感じるんじゃないかと思います。でもルールをすべて覚えていなくても、戦っているふたりがどんな駆け引きをしているかという目線で見てもらえると面白いと思います。傍から見ていると、「今襟をつかんでいるんだから攻めればいいのに」と思うと思うんですけど、そこは罠をはっているから、今攻めたら相手の思うツボになっちゃうことがあります。
投げるところだけじゃなくて、最初の組み手からその投げに至るまでの過程を見てもらいたいです。流れをつくるのがうまい選手がいたり、自分のペースに引き込むのがうまい選手がいたりするので、そういった見方をしてもらえると試合をもっと楽しめるのかなと思います。
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