検索

佐藤水菜がオールガールズクラシックで、誰も仕掛けたくない絶妙なスピードで狙いどおりに優勝

  • ハル飯田●取材・文 text by Haru Iida

準決勝2着の反省を生かして優勝した佐藤水菜 photo by Takahashi Manabu準決勝2着の反省を生かして優勝した佐藤水菜 photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る

【女子選手のみのGⅠ開催】

 思惑、作戦、展開。

 3日間かけて争われる駆け引きの詰まったレースを制し、佐藤水菜(神奈川・114期)が2025年最初のGⅠ開催「オールガールズクラシック」の王座に輝いた。

 オールガールズクラシックは、その名のとおり開催期間中は、女子選手のレースのみが実施されるガールズケイリンの祭典。GⅠのなかでも最も格式の高いレースに位置づけられており、出場できるのは選抜された42選手となっている。

 第3回となる今年の舞台は岐阜競輪場。距離は最もメジャーな周長400mで、クセが少なく標準的なバンクと言われているが、予選では強く吹く風が勝負の大きなファクターに。バックストレッチでは追い風となり選手のスピード感を狂わせ、ホームストレッチに入ると強い向かい風となって限界まで自分を追い込む選手のバランスを揺さぶる。レース後の選手は口々に風の影響を分析した。

 そんな強風が吹きつける環境でも「風はあるけど、いいバンクコンディション」と言ってのけたのが、初日の「ティアラカップ」()で1着となった佐藤だった。23年秋の松戸開催でオールガールズクラシックのタイトルを獲得している佐藤は、約3カ月ぶりのガールズケイリン参戦となる。並行して取り組む自転車競技とは異なるギアとセッティングに体を適応させながらのレースとなったが、実力者ぞろいの特別競走に完勝。ここでも間違いなく「大本命」であることを印象づけた。
※ガールズグランプリ2024の1~3着の選手と、選考期間内の獲得賞金額上位者を加えた計7名による特別競走。この7名は2日目の準決勝に進む

【準決勝では児玉が勝ち切る】

 順調さを極める佐藤に対抗しうる存在として最も注目されたのが、1年前に地元久留米でのオールガールズクラシックを優勝した児玉碧衣(福岡・108期)だ。初日で昨年終盤の停滞ムードを払しょくする9車身差での圧勝劇を披露。走行後には「今年一番の出来」と振り返り、唯一「連覇」への挑戦権を持つ立場として最高の仕上がりをアピールした。

1 / 3

フォトギャラリーを見る

キーワード

このページのトップに戻る