ガールズケイリン當銘直美が学んだプロの自覚と覚醒の理由 規則違反での停学&復学も涙ながらに語った (5ページ目)

  • text by Sportiva

【躍進を支える恵まれた環境】

 當銘には2歳下の妹がいる。名前は當銘沙恵美(愛知・118期)。彼女もガールズケイリンで活躍している選手だ。「どんな存在なのか?」と問うと、即座に「負けたくないです」と答えるほど、ライバル心を燃やす存在だ。

「妹とは特別競輪にならない限り、普段のレースでは一緒に走ることがないから、唯一ガールズのなかで自分の悩みを素で言える相手で、お互いに刺激になっていると思います。妹が選手になってから声援の内容も変わって、これまで『當銘ちゃん、頑張れ』だったのが、『沙恵美は何着だったぞ』という声があがったりします。発走機でそれが聞こえた時には、絶対に負けたくないので、その成績を上回るぞと。妹からしたら嫌なお姉ちゃんかもしれないけど(笑)」

 現在、姉の直美は名古屋競輪場で、妹の沙恵美は豊橋競輪場をホームバンクにしているが、姉妹として近い関係であり、「ふたりでGⅠに出ること」をひとつの目標にしている。

 この妹の存在だけでなく、これまでの當銘の成長・活躍に欠かせないのが、周囲のサポートだ。停学になった時の周りからの温かい声掛けもそうだが、現在の練習環境についても言える。

「練習仲間にすごく恵まれていると思います。街道練習にせよ、バンク練習にせよ、私の競走の都合に合わせて練習メニューを変えてくださったり、セッティングも見てくださったり。私は練習に打ち込むだけという環境を作ってもらっています」

 これだけ恵まれた環境に身を置いていることもあり、レースと練習を軸にした生活を変えるつもりはない。「自転車が好き」ということもあるが、オフの日でも2000m級の山を登るヒルクライムに挑戦したりと、結果的にトレーニングをしていることもある。まとまった休みを取ってゆったり旅行をしたこともないという。それは明確な目標があるからにほかならない。

「もっと優勝回数を増やして、特別競輪も獲りたいと思っています」さらなる高みを目指す photo by Gunki Hiroshiさらなる高みを目指す photo by Gunki Hiroshiこの記事に関連する写真を見る

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