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パリオリンピック 江村美咲がリベンジを誓う女子サーブル団体、男子フルーレ団体展望 東京五輪金の宇山賢が解説 (3ページ目)

  • 宇山賢●文 text by Uyama Satoru

【世界1位として臨む男子フルーレ】

 世界ランキング1位の日本男子チームは、五輪初出場で個人4位に入った飯村一輝選手と、東京五輪も経験した主将の松山恭助選手と敷根崇裕選手、交代選手の永野雄大選手という布陣で臨みます。

 直近の大会では敷根選手が1番手を務めましたが、本番では松山選手が起用されるかもしれません。多彩な技が持ち味で、剣を外に広げて相手に触らせずに追い込んでいくプレーを得意としています。チーム唯一の左利きであり、冷静で落ち着きもあるキャプテンがチームをけん引します。

 敷根選手は2番手を担うことになると思います。東京五輪では個人4位。今年5月のW杯(香港)では銀メダルを獲得しました。元フェンシング選手の両親に早くから指導を受け、小学生時代に対戦して敗れた1学年上の松山選手を目標に、実力を磨きあげてきました。フェンシングでは剣先を相手に向けるのがスタンダードなのに対し、剣先を下げて戦う独自のスタイルにも注目です。

 それに続くのが、個人戦でニック・イトキン選手(米国)に敗れ、あと一歩のところで銅メダルを逃した飯村選手です。父の栄彦氏は太田雄貴さんのコーチとしても知られ、北京とロンドンで銀メダルを獲得した指導力には定評があります。太田さんと同じく速いアタックを得意としていて、個人戦で届かなかったメダル獲得へとチームを導いてくれるはずです。

 永野選手は東京五輪に続いて交代選手としての参加となりました。3年前は私もエペ団体の交代選手でしたから、同じ境遇だった私たちは「腐らずに頑張ろう」と励まし合ったことを覚えています。

 オーソドックスなスタイルで非常に攻守のバランスがよく、構えや動作を見ても基本に忠実にスタイルを作りあげてきたことがわかります。流れを変えるための交代選手としては、どんな相手にも対応できる力を持っていることが強みになります。

 飯村選手以外の3選手は、東京五輪の団体戦では4位でした。パリでは表彰台に立つ姿が見られることを期待しています。

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