「【推しの子】のゴローは理想かも」人気声優・伊東健人 自身の声優像と、コンディショニングのための「ほぼ毎日」のトレーニングを語る (2ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • 松林寛太●撮影 photo by Matsubayashi Kanta

【声優業一本で勝負するために「退路を断った」作品】

──声優業界に入って以降、数々の人気アニメやゲームへの出演を果たされましたよね。ご自身のなかでターニングポイントとなった作品はなんでしょう?

「難しいですね...。本当に作品一つひとつに思い入れがありますし、それぞれの現場で出会った仲間は今も交流がある大切な存在ですから。強いて挙げるとすれば、2015年からゲームやアニメで出演させてもらっている『アイドルマスター SideM』(硲道夫役)になるのかな。ターニングポイントとしては、ある意味"退路を断とう"と思えた作品でもあるので。

 というのも、事務所の所属が決まった当初は、仕事はこなしつつも"これから声優として生きていく"ことに対してまだピンときてなかったんです。そんななかでこの作品に関わっていくと、硲道夫が所属するアイドルユニット『S.E.M』のメンバーとしてのライブステージやイベント出演など、表舞台に立つ仕事が増えていきました。

 アニメやゲーム内で演じるだけではなく、"今の声優は人前に出なきゃいけない"ことを初めて知ったんです。でも歌やダンスはまったく苦ではなかったですし、やりがいも感じていたので、気づいたら、より声優としての覚悟が決まった自分がいました」

──本気で挑戦するために退路を断ったのですね。逃げ道をなくすことは、とても勇気が必要だったと思います。

「そうですね。興味がないことでも"やらないよりは挑戦してみよう"と思える自分の性格が、決断する上で大きかったのかもしれません。この業界に踏み込んだ時もそうですし、スポーツやジムでの筋トレ、最近だとカメラマンの友だちに同行して深夜に星を見に行ったり。どんなことも実際に触れてみたらものすごく面白い、その繰り返しの人生なんです。そういう意味では、いろんなことにチャレンジできる声優という仕事に向いていたのかな、と思いますね」

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