「やせているのがかわいいと思っていた」女性がなぜバキバキボディに? プロフィットネス選手・山田朝美の筋肉哲学 (3ページ目)

  • 武松佑季●取材・文 text by Takematsu Yuki
  • 柳岡創平●撮影 photo by Yanaoka Sohei

【ジム経営者としての哲学】

ーー自身のトレーニング哲学は?

 まずはアップ。トレーニングをやる前の準備体操に1時間近く使います。トレーニングの前段階で、正しい姿勢や体の使い方、動かし方を反復して行ない、それぞれの動作を頭に叩き込みます。いわば、脳の教育です。

 これによって実際のトレーニング時に、あれこれ考えることなく自然にきれいなフォームでできるようにします。アップをおろそかにするとトレーニングの効果も半分になってしまいます。

 加えてアップは、ただのストレッチではなく、例えば、肩甲骨、骨盤を動かして歪みや前傾、後傾を整えたり、腹筋や背筋を使って体を動かして筋肉を温めたりするイメージです。

プロは海外のコンテストが主戦場だ 写真/本人提供プロは海外のコンテストが主戦場だ 写真/本人提供この記事に関連する写真を見るーー実際のトレーニングでは?

 全身の筋肉を連動させて体を動かすことを意識しています。胸トレなら胸の筋肉だけ使うことがいいという考え方は、ウェイトトレーニングの"悪の洗脳"だと思っています。

 私の場合、ベンチプレスであれば足からしっかり踏ん張って、お尻、お腹の順に筋肉を連動させて拳に力を伝えるということを意識しています。

 そうすることで運動量が増え、筋肉の成長もしやすくなると思いますし、対象筋だけを使ってトレーニングするよりも関節、腱の負担がなくなることでケガの防止にもつながります。ケガをしたらトレーニングを中断しないといけなくなってしまいますからね。

 これは私がトレーナーとしてクライアントの方に教える時にも重要視しています。

ーー山田さんはジムのオーナーとしての顔も持っています。そのきっかけは?

 転職活動するまでの間、毎日ジムに会員として通っていましたが、気づけば、いつの間にかそこで自分が働くようになったんです。

 働いていると、ジムの設備面や環境面でもっとこうしたほうがいいんじゃないかと考えるようになり、それなら自分でやってみようと自分のジムをオープンしました。それが2016年ですね。

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