「やせているのがかわいいと思っていた」女性がなぜバキバキボディに? プロフィットネス選手・山田朝美の筋肉哲学 (2ページ目)

  • 武松佑季●取材・文 text by Takematsu Yuki
  • 柳岡創平●撮影 photo by Yanaoka Sohei

【メリハリのある体こそが美しい】

ーー今では非常に仕上がった体になっています。間近で見ると迫力があります。

 当時はこんな筋肉がついた体型を目指していなかったので筋トレをすることに葛藤がありましたよ。特に脚は太くなりたくなかったのでわざと脚のトレーニングを適当にやったりしていました。

 そしたらジムのスタッフの方から「そんな簡単に筋肉はつかないから大丈夫」と言われたので、真面目にやったら予想外に筋肉がついてしまいました(笑)。

ーーだまされた気分ですね(笑)。

 でもそのおかげで今や「細い=かわいい」という感覚はすっかりなくなって、筋肉のメリハリがある体こそが美しいと思うようになりました。

現在は経営するジムの営業終了後にトレーニングに励んでいるという現在は経営するジムの営業終了後にトレーニングに励んでいるというこの記事に関連する写真を見るーーいつからコンテストへ出場するように?

 初めて出場したのはパワーリフティングの大会です。ジムに通うようになって1年くらい経った時ですね。当時の記録はベンチプレスが50キロ、スクワットとデッドリフトが90キロくらいだったと思います。

 JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)のコンテストに出場するようになったのは2013年から。「ミス21健康美大会」という全国大会で、当時はまだ「ビキニフィットネス」や「メンズフィジーク」などのカテゴリーはなく、その代わりに「健康美」という初心者向けのボディビルの登竜門的なカテゴリーが盛り上がっていました。

 そのカテゴリーで2013年と2014年に準優勝(いずれも158センチ以下級)、2015年にカテゴリー優勝とオーバーオールでの総合優勝もできました。

ーー早い段階から頭角を現わしていたんですね。その後、国内外の大会で活躍しプロになりました(詳しくは前編)。自信のある部位は?

 自分自身で自信があると思える部位はないのですが、苦手だと感じる部位もないことは強みなのかもしれません。均衡のとれたバランスのいい体だと思っています。

 トレーニングに関しては、脚より上半身のトレーニングのほうがどちらかというと好きです。私が出場しているボディフィットネスというカテゴリーは胸、肩、背中、腕の筋肉量も非常に重要になってきます。そういう意味では私に合っているカテゴリーかもしれません。

2019年にカナダで開催されたプロコンテストで3位になった山田さん(右) 写真/本人提供2019年にカナダで開催されたプロコンテストで3位になった山田さん(右) 写真/本人提供この記事に関連する写真を見る

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