吉田知那美が「勝ちたいけど、どうしたらいいかわからなかった」時に支えとなった格言 「笑顔」にこだわるようになったワケ

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro

ロコ・ソラーレの吉田知那美がこれまでの人生で影響を受けた「言葉」や「格言」にスポットを当てた連載。第8回は、ジュニア時代にライバルたちと熾烈な争いを繰り広げるなかで出会った言葉だ――。

沖縄県南風原町で開催されたカーリング教室にて。ご当地キャラ「はえるん」と。photo by Takeda Soichiro沖縄県南風原町で開催されたカーリング教室にて。ご当地キャラ「はえるん」と。photo by Takeda Soichiroこの記事に関連する写真を見る吉田知那美にちなんだ『32の言葉』
連載◆第8エンド

笑顔で脳のパフォーマンスを上げる
(林成之)

 高校2年生の時、網走のapt.4(アプトフォー)商店街にあるフジヤ書店で『脳に悪い7つの習慣』(林成之著/幻冬社)という本を買いました。

 当時、私は佳歩(小野寺/フォルティウス)や(鈴木)夕湖や(吉田)夕梨花と、ROBINSというチームでプレーしていたのですが、ジュニアのカテゴリーではさっちゃん(藤澤五月)がスキップを務めるチームに勝てませんでした。中学の時から一般の日本選手権には出場できたけれど、高校に進学すると全員の進学先がバラバラだったため、なかなかチーム練習ができず、一般の日本選手権でも勝てなくなっていました。

 また、同時期にさや(吉村紗也香/フォルティウス)がスキップを務めるチーム常呂高校が2009年2月に開催された日本選手権で準優勝。バンクーバー五輪のトライアルに出場し、当時の日本代表のチーム青森を相手に高校生チームとは思えない堂々としたカーリングを見せてくれたのをよく覚えています。

 さっちゃんはジュニアの日本代表として、同世代では誰よりも早く世界に挑戦。さやは一般で若手の新星チームとして活躍。そういった時期だったので、私はおそらく焦りのような感情を抱いていたのだと思います。

 通学のために使っていた常呂から網走へ向かうバスに乗らずに、授業をサボって常呂の図書館で、スポーツ選手の本や横文字ばかりでまったく理解できない栄養の本などを読み漁っていた日もありました。学校に行っていないことがバレて、お母さんが迎えに来てくれたこともあります。今考えるときっと、「勝ちたいけど、どうしたらいいかわからなかったんだろうな」という気がします。

 そんななかで、この『脳に悪い7つの習慣』で読んだ「笑顔で脳のパフォーマンスを上げる」という一節は、私にとって一生モノの出会いでした。顔の筋肉と感情を司るA10神経群は密接に関連していて、努力してでも笑顔でいれば否定的なことやネガティブな考えが生まれにくく、脳の力を発揮しやすい状態でいられるそうです。

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