フォースからスキップへ――藤澤五月が「カーリングの戦術って奥深い!」と気づいた瞬間 (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro
  • 藤巻剛●撮影 photo by Fujimaki Goh

 今、考えれば当たり前のことばかりではあるのですが、私に「先の展開を考えて戦術を組み立てる」という意識を持たせてくれたのは、間違いなく晋くんとこの2009年の世界ジュニアでした。そして、同じ会場で1年後にバンクーバー五輪が開催されるということで、オリンピックというものの存在に、初めてほんの少し触れた瞬間かもしれません。

 その大会後、日本に帰国し、北見へ戻るための乗り継ぎの関係で都内のホテルに泊まった時、これまで一緒にプレーしてきてくれたステイゴールドIIのメンバーに、高校卒業後は中部電力に入ってカーリングを続けたいと思っているという話をしました。そこで、チームのみんなが「応援するよ」と言ってくれて、安心したのとうれしかったのはよく覚えています。

 小学生の低学年から10年近くステイゴールドIIでカーリングをしてきて、楽しい思い出ばかりでした。私にとってジュニアのカーリングが終わったのはこの日だったかもしれません。

TOMIE●ヘアメイク hair&make-up by TOMIE
本多仁美●スタイリング styling by Honda Hitomi
衣装協力/RANDA

藤澤五月(ふじさわ・さつき)
1991年5月24日生まれ。北海道北見市出身。高校卒業後、中部電力入り。日本選手権4連覇(2011年~2014年)を果たすも、ソチ五輪出場は叶わなかった。2015年、ロコ・ソラーレに加入。2016年世界選手権で準優勝。2018年平昌五輪で銅メダル、2022年北京五輪で銀メダルを獲得した。趣味はゴルフ。

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