カーリング日本選手権が開幕。連覇を狙うロコ・ソラーレにはどうしても勝ちたい理由がある (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text by Takeda Soichiro
  • photo by (C)北海道カーリング協会

 そのような経緯もあり、ロコ・ソラーレの世界選手権への思い入れは強い。実際に鈴木はかつて「世界選手権は世界のトップに挑む貴重な機会なので、ライバルチームが出ていると単純に羨ましかったです」と語っている。

 さらに、世界選手権は近年、参加国が13カ国に拡大され、ラウンドロビン(総当たりの予選)だけで12試合。クオリファイ(プレーオフ進出)以降も合わせると、最大15試合を戦うことになる。チームとしてのピーキング能力や耐久力が試される五輪を超える長丁場は、真の強さが試されると言っていい。

 だからこそ、出たい。そこで勝ちたい――ロコ・ソラーレのメンバーの思いは強い。

 また、2016年大会で彼女たちは銀メダルを獲得しているが、のちに藤澤は「そのあとの平昌五輪(銅メダル)もそうなんですけど、あの時の世界選手権の結果を(自分たちは)"まぐれ"とは思っていませんが、周囲からはどうしても『新しいチームが勢いで上がっていった』という評価がされていたと思う」と吐露したことがある。

 平昌五輪以降の戦いぶりからして、世界選手権や五輪でのメダル獲得がフロックではなかったことは証明されているが、彼女たちにとってみれば、昨季の北京五輪での銀メダルや今季のグランドスラム制覇によって、自分たちは"ニューカマー"ではなく、真の世界トップチームとしてやっと認められた、その仲間入りを果たした――そう考えているかもしれない。

 すなわち、それらの実績をいわば"手形"として、いよいよ世界の頂点に正式に挑む。どこまでもストイックでどん欲な彼女たちであれば、そう捉えていてもおかしくない。

 念願の世界選手権出場へ、そして世界の頂点へ。目標の切符を手にする日本選手権の決勝は、2月5日だ。

 もちろん勝負事なので、予断は許されない。国内トップチームも軒並み好調を維持している今季、ラクな試合など存在しないだろう。

 だが、藤澤が加入した2016年大会から、ロコ・ソラーレは出場した6大会(2018年大会は平昌五輪出場のために不出場)すべてでファイナルに進出している。

 7度目のファイナル進出を決め、4度目の日本王者に輝いた時、彼女たちは世界選手権に向けてどんな言葉でその思いを語るのだろうか。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る