馬淵優佳が「生理前のイライラはありませんか」と質問。伊藤華英に体調の悩みなどを聞いた (4ページ目)

  • text by Sportiva
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao

――馬淵さんの今後の目標と、主体的に競技に取り組む今だからこそ感じる想いがあれば教えてください。

馬淵 目標はやっぱりパリオリンピックです。1回目の競技生活の時は終わりが見えないなかでやっていましたが、今回は現役復帰した時から引退は近いところに見えていますし、つねに終わりを意識しています。だから以前よりも、1日1日を大切にしていますし、1日の過ごし方についての意識が全然違います。やっぱり自分で決めたことなので、どんな結果であっても、終わる時にはやりきったと思いたいですよね。

伊藤 自分の気持ちに気づいて再スタートを切るのは、本当に素晴らしいですし、人生の見方が変わると思いますね。私は27歳で引退した時に、スポーツに対して違う視点で関わりたいという思いがありました。引退後すぐにピラティスの資格をとって、翌年から大学院で4年間、スポーツ心理学の勉強をしました。

 そんななかでもいろんな人がサポートしてくれました。現役時代の先輩方や大学の先生などからさまざまなアドバイスをいただき、引退後の人生も、競技の時からのつながりがずっと続いているんだなと思いました。そういう方々の言葉は大事にしてきましたね。

馬淵 私も今、いろんな人のサポートがあって競技ができていると、すごく実感しています。引退する時にはやりきったという開放感を持って笑顔で迎えたいですし、最後はサポートしてくれた方々に感謝の気持ちを伝えたいですね。

馬淵優佳(まぶち・ゆか)
1995年2月5日生まれ、兵庫県出身。3歳から競技を始め、2009年に東アジア大会3メートル飛板飛込みで銅メダルを獲得。2011年に世界選手権代表選考会の3メートル飛板飛込みで優勝をし、世界選手権に初出場。22歳の2017年5月に競泳日本代表の瀬戸大也と結婚し7月に引退。2018年に第1子、2020年に第2子を出産する。2021年9月、26歳にして5年ぶりの競技復帰を決断。2022年8月、日本選手権の女子1メートル飛板飛込で優勝、女子3メートル飛板飛込で4位、女子3メートルシンクロ飛板飛込で2位となる。

伊藤華英(いとう・はなえ)
1985年1月18日生まれ、埼玉県出身。元競泳選手。2000年、15歳で日本選手権に出場。2006年に200m背泳ぎで日本新、2008年に100m背泳ぎでも日本新を樹立した。同年の北京五輪に出場し、100m背泳ぎで8位入賞。続くロンドン五輪では自由形の選手として出場し、400mと800mのリレーでともに入賞した。2012年10月に現役を引退。その後、早稲田大学スポーツ科学学術院スポーツ科学研究科に通い、順天堂大学大学院スポーツ健康科学部博士号を取得した。現、全日本柔道連盟ブランディング戦略推進特別委員会副委員長、日本卓球協会理事。

■インスタで「スポーツと生理」の教材を配信
伊藤華英さんがリーダーを務める「1252プロジェクト」。これは女子学生アスリートを中心に、10代の若者が抱える「スポーツと生理」にまつわる課題に対し、トップアスリートの経験や医学的知見をもって、情報発信をしているプロジェクト。その一環として、インスタグラムで手軽に学べる「スポーツと生理」の次世代型オンライン教材『1252 Playbook』を配信中。
Instagram:1252project>>

性的画像、女性蔑視、生理の課題などを語る元選手たち

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る