廣瀬俊朗が激烈なエディージャパンの主将時代を回顧。伊藤華英が考える女性指導者増のために必要なこととは (3ページ目)
廣瀬 確かに、僕もエディーさんの姿を見ると、僕にはできないなと思いますね。指導者としてストイックにならないといけないし、言いたくないこともしっかりと言わないといけない。なかなか大変なことです。
伊藤 指導者は、合宿に2~3カ月間帯同することになるし、家にいないのが普通の状態ですよね。オリンピックになるともっとコミットしなくちゃいけない。本来であれば、指導者はもっとリスペクトされていい存在だと思います。
――それだけ苦労されている指導者の方々の多くが男性という印象があります。スポーツ庁の発表だと女性の指導者の割合は27.5%で、東京五輪での日本選手団の女性コーチの割合は14.8%とエリートスポーツではさらに低い結果が出ています。この数値をどうみますか。
廣瀬 当然少ないと思いますね。やはり女性選手にとって女性のコーチが増えるとうれしいのかな。
伊藤 話しやすいと思いますよ。生理などの課題は、女性コーチのほうがわかると思いますので、女性アスリートのサポートには間違いなくなりますね。スポーツ庁は女性指導者の育成というミッションがありますが、そのためにはライフステージの変化に伴ったサポートがある程度ないと実現しないのではないかと思います。
若い女性には妊娠や出産がありますから、その時期にどうサポートをするのか。当然、男性も奥さんの出産や育児に関わる時代ですので、子供が未就学児の場合は、男性も夕方から忙しくなる人がいます。女性も男性も、それが一つのハードルになって指導者から離れてしまうようなことがないようなサポート体制ができるといいと思います。指導したい女性の方はたくさんいると思いますが、仕事として生活が保障されているかということも考えないといけないですよね。
廣瀬 そうですね。指導者の立場がよりよくなってほしいなと思いますね。魅力があれば、みんなやりたいと思いますし。競技にもよりますが、トップレベルだと、相当きつい仕事だと思います。コーチは本当に休みなくハードに働いていますしね。
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