スウェーデンの五輪チームが絶賛したユニクロの公式ウエアの工夫。スポーツ、ファッションを通じて描く未来
株式会社ファーストリテイリング取締役の柳井康治氏と、2019年1月にユニクロとパートナー契約を締結したスウェーデン五輪委員会 CEOの ピーター・レイネボ氏に、「スポーツ×服のチカラが目指すよりよい未来」というテーマで話を伺った。
ファーストリテイリング取締役の柳井氏(左)とスウェーデン五輪委員会 CEOの ピーター氏この記事に関連する写真を見る 2018年8月に、ユニクロがストックホルムにスウェーデンの1号店をオープンし、ピーター氏から声がかかったことがきっかけでパートナー契約を締結。当初は2022年末までの4年間の予定だったが、東京大会での選手団の活躍も受け、昨年9月に2024年のパリ五輪まで契約が継続されることが発表された。
これまでユニクロは、2021年8月の東京五輪と翌2022年2月の北京五輪において、スウェーデンの選手団や関係者に公式ウェアを提供している。それについてピーター氏は、「チームにとってベストなウェアだった」と述べた。
「蒸し暑い夏の東京と、対極な気候の冬の北京でいかに快適に過ごせるかが重要なポイントのひとつでしたが、ユニクロは見事にそれを満たしてくれました。もちろん機能性も優れており、選手たちのいいパフォーマンスにつながったと思います」
スウェーデンは東京五輪で9個のメダル(金3、銀6)を獲得。北京五輪では金メダル8個、合計のメダル数18個(銀5、銅5)と、ともに冬のオリンピックでの歴代最多数となった。それを支えたウェア開発の経緯を、柳井氏は次のように振り返る。
「競技によって必要な機能が違いますから、各競技の選手たち、協会メンバーの意見をピックアップしながらそれをクリアしていきました。選手たちには何度もフィッティングをしてもらい、実際にプレーをしてもらうこともありましたね。東京五輪は太陽が出ている場合とそうでない場合といった細かい条件も想定して、暑さや湿気に慣れていないスウェーデンの選手たちが最高のパフォーマンスを出すためのウェアを追求したんです。
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