どうすれば役満は上がれるのですか? 最強雀士・佐々木寿人「悪い手ほど役は高くなることが多い」 (4ページ目)

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「悪い手ほど高くなることが多いんですよ。配牌がいい時は、つくれる手が決まっているので、上がりまでのルートは手なりでやるしかない。でも、悪い手というのは、どうにかして高い手にならないかと考えられるんですよ」

---- 高い手といえば、Mリーグではレギュラーシーズンとポストシーズン合わせて2019-2020シーズンは8回、2020-2021シーズンで4回出ていた役満が、昨季は3月22日のセミファイナルで佐々木選手が上がった1回のみ。Mリーグで最初に役満を上がったのも佐々木選手でしたが、どうすれば役満は上がれるのですか?

「昨季のセミファイナルでの役満は、前局からの流れもあるんですよね。前局で他家からのリーチに対して、放銃回避して親を連荘できて。それでつながった1局で役満を上がれたので盛り上がりました。セミファイナルのチームにとっての初戦でもあったので、あれでトップを獲れたのは大きかったです」

---- 役満を上がる気分はどういうものですか?

「もちろん、うれしいですよ。でも、まだ勝負の途中ですから、気分がMAXになることはないですね。役満を上がってトップをまくられることもあるし、やっぱりトップを取ったほうが役満を上がるよりもうれしいですから」

---- 佐々木選手はたくさんの異名をお持ちです。「魔王」「ホンイツコンサルタント」「攻めダルマ」などなど......。どれが一番しっくりきているんですか?

「『魔王』はいいですよね。あれはほかの人がつけたものですが、それ以外のほとんどが自分発信なんで、どれもこれもしっくりきていますね(笑)。なにか思いついたら、これからもバンバン出していこうと思っています」

---- 最後に来シーズンの抱負を教えてください。

「昨シーズンはファイナルにこそ進めましたけど、優勝はできませんでしたから、まずはチームを優勝させたい。チーム最年長としては、その責任が一番大きいですね。これまでチームに貢献した実感もないので」

---- 鳳凰位の連覇をはじめ、佐々木選手の個人戦での活躍を考えると、Mリーグをまだ制覇していないのは意外です。そこもMリーグのおもしろさなんでしょうね。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る