どうすれば役満は上がれるのですか? 最強雀士・佐々木寿人「悪い手ほど役は高くなることが多い」 (3ページ目)

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「チーム戦なので、どうしようもない時でも、ひとつでも上の着順で終われるようにやっていました。ただ、昨季は4着が11回とチームでもっとも多くて。あれを4回でも5回でも削れていたら、トータルポイントで100ポイント、200ポイントは変わっていたので。そこを来シーズンの課題にしていきたいです」

---- 佐々木選手と言えば、ツモってから打牌までの速さも特長です。なぜあれほど速く決断できるのですか? 日常生活でも決断は速いですか?

「ふだんから決断は速いほうだと思います。洋服もパッと選んじゃうし、飲食店で注文する時もそう(笑)。そういうのが麻雀にも生きている部分はあるでしょうね。あとは事前の準備。相手の手番でいろんなことを想定しておく。考える時間は十分にあるので。それでしょうね」

---- その佐々木選手が珍しく長考した試合がありました。2月22日の試合ではトップで迎えたオーラスで、128秒かけて捨て牌を決めるシーンが話題になりました。

「自分がトップ目にいるけど、それほど点差は離れていない。でも、どうしても1位は持ち帰りたい。下家の多井さん(隆晴/渋谷ABEMAS/RMU)から仕掛けが入って、上家の村上さんからリーチがきた。片方ずつの現物(当たらない牌のこと)はあるけれど、ふたりに確実に通る牌がなくて。放銃して終わるのはダメだなと思っていたら、あんなに時間がかかっちゃいましたね」

---- 128秒で長考と言われるのも、ふだんの佐々木選手の決断の速さを表している出来事でした。

「手が詰まったとはいえ、申し訳ないくらい長く考えちゃって......。でも、自分の手のなかに当たり牌があったから救われたなと(笑)。あんなに考えて手牌に当たり牌を持っていなかったら、ただの笑い者ですから(笑)」

---- 佐々木選手と言えば、配牌時はすごく悪い手だったのに、終盤では高い手に育っていて、高得点を上がるケースも目立ちます。なぜ、あれほど見事に高い手をつくれるのですか?

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