二階堂瑠美はわずか1年でプロ雀士に合格。高校中退、雀荘バイト、毎日13時間の麻雀漬け (2ページ目)

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

---- どんな子どもだったのですか?

「もともとパズルとかゲームが好きで、テレビゲームをよくしていました。あとはマンガや本を読んだり。本はいわゆる子どもが読むようなものは読んでなくて、推理小説やホラー小説を読んでいましたね。でも、一番よく眺めていたのは、漢字辞典と国語辞典。同じ音なのに意味の違う言葉がたくさんあることが不思議だったんですよね」

---- そんな少女が成長して、興味のなかった麻雀を始めた理由は何ですか?

「亜樹ちゃんが中学卒業後に麻雀をやっていると知ったからでした。両親が小学校低学年の時に離婚して、それからは祖母と亜樹ちゃんとで暮らしていたんですけど、私が高校1年の頃にその家がなくなってしまって。

 亜樹ちゃんは中学を卒業すると東京に行ってしまい、私はそのまま高校に在籍していたけど、生活するためにバイトに追われて、学校にはほとんど行けなくて。それで3度目の1年生をやることになった時に高校はやめて、亜樹ちゃんのいる雀荘でバイトを始めたんです。間近で麻雀を見るようになったら『おもしろいな』となって、そこからですね」

---- 亜樹選手がプロ雀士になった翌年、瑠美選手は2000年に19歳でプロ雀士になりました。雀荘で働き始めて1年くらいでプロになれた背景を教えてください。

「雀荘で働き始めてから麻雀プロになるまでは、毎日13時間くらい麻雀を打ちましたね。麻雀が打てるとなったら『ハイハイ! 私、打ちます!』という感じで。それが週6日、時には週7日やって、仕事が終わったあとも麻雀を打ったりしていたので、麻雀漬けの日々。そんな濃密な1年間を過ごしたら、プロテストに合格しました」

---- そこから二階堂姉妹として麻雀界に新風を送り込みましたが、アイドル的な脚光を浴びたデビュー当時は、どんなお気持ちだったのですか?

「麻雀プロになる前から取材を受けたりしたんですけど、『これは長くは続かない』と思っていました。ただ麻雀が好きで、ただ強くなりたくて競技プロになったので、注目されても冷めた部分はあって。

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