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カーリング女子日本代表・藤澤五月の才能とは? 元チームメイト市川美余「技術面でも押し引きのバランスがすごい」  (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

――市川さんを含め、中部電力の他の選手たちも決して不真面目ではなかったと思いますが。

「もちろんです。私たちも私たちなりに一生懸命練習して、カーリングに取り組んできました。でも、たとえば遠征に行った時など、オフや空き時間があれば、私は映画やドラマなどのDVDを見ようかなと思うのですが、藤澤選手はカーリングの動画を見ている。それくらいカーリングのことをずっと考えていられる。そこは本当に、才能だと思います」

――ロコ・ソラーレでプレーしている藤澤選手の、アイス上での技術や戦術面についてはどうご覧になっていますか。

「中部電力時代はチームカラーとして『とにかく石を溜めよう』というカーリングをしていたので、当時との比較は難しいのですが、今はその"攻め"を上手に(自らの戦略の)引き出しのなかに入れている感じがします。押し、引きがうまいというか、引くところではしっかり前(のガードストーン)を払ってリスクを減らしたり、攻め直したりしています。そのバランスのとり方は『すごいなぁ』と、素直に感心しています」

――バランスに長けたスキップに成長したのは、中部電力での6シーズン、石を溜めるカーリングがあってこそ。それを経て、"世界のFujisawa"になったのではないでしょうか。

「そうだったら、元チームメイトとしてはとても誇らしいですけれど、そこはやっぱり彼女の真面目で、カーリングが大好きという姿勢が一番の要因だと思います」

――さて、いよいよ五輪の戦いが始まります。市川さんの見立てを教えてください。

「本当に強豪ばかりの10チームがそろいました。私は、スウェーデン、カナダ、スイスが経験と実績という意味では少し抜けているかなという感じはしますが、その他のチームもそれらと大きな差はなく、ほぼ横並びで続いていると見ています」

――日本は初戦でスウェーデン、2戦目でカナダという日程。いきなり強豪との対戦が続きます。

「そうなんですよ。でも、これはポジティブに捉えていいと思っています。というのも、どのチームもアイスの情報がほとんどない互角の状態ですから。そういう状況で、強いチームとの対戦を迎えられるのは、逆にチャンスだと思います。ラウンドロビン(総当たりの予選)の後半、アイスリーディング(氷の読み)が済んだ仕上がった状態のスウェーデンとか、カナダとかとの対戦となると、さすがにチャンスを作りづらいゲームになってしまうと思うので。

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