武井壮が「認識を改める必要がある」と考えるスポーツとスポンサーの関係。フェンシング界で取り組みたい新たな試み (4ページ目)

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro
  • 松永光希●撮影 photo by Matsunaga Koki

――6試合すべてが見逃せない試合だと思いますが、あえて注目選手を挙げるとしたら誰になりますか?

武井 女子エペで2年連続、7度目の優勝を狙う佐藤希望(のぞみ)選手です。東京五輪を含めてオリンピックに3度出場しているのですが、それぞれの五輪と五輪の間に1回ずつ出産を経験し、今は2児のママ。相手は、2年前の女王である大学生の原田紗希選手ですが、最強のママさんアスリートがどんな戦いをするのか楽しみです。

 そのほか、日本選手権でチャンピオンになった選手たちには、新たなフェンシング界の旗頭として、年末年始はメディアなどで稼働してもらおうと思っています。新たなスターが誕生する瞬間を、ぜひ見てもらいたいですね。

――今後は、大会も「武井カラー」が色濃くなるのでしょうか。

武井 来年は自分のカラーを全面に出していきたいです。フェンシングだけを観るというよりも、楽しいイベントの合間にフェンシングが観られるという形も面白いんじゃないかと思っています。先ほど話したスペシャルマッチにしてもそうですが、もっとバラエティー色を強くして、フェスみたいな感じでやるものいいですね。

――今年の全日本選手権は無料で生中継(ABEMA) されますし、会場に来られない人にも試合を見てもらいたいですね。

武井 僕はスポーツとエンターテインメントを通じて、ひとりでも多くの人がより豊かな人生を送れる手伝いがしたい。ここまで難しいことを話してきましたが、全日本選手権の当日は僕も会場で応援しますので、観客のみなさんには純粋に、そして盛大にフェンシングを楽しんでもらいたいです!

■武井壮(たけい・そう)
1973年5月6日生まれ、東京都出身。陸上・十種競技の元日本チャンピオンで、格闘技、野球、ゴルフなどさまざまなスポーツ経験を持つ。十種競技の日本記録保持者である右代啓祐への指導をはじめ、指導者としても高い評価を受ける。メディア出演を中心に活躍しながら、世界マスターズ陸上では金メダルを獲得。2021年6月に日本フェンシング協会会長への就任が発表され、大きな話題を呼んだ。
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