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アイスホッケー池田涼希が語る五輪への道。ラグビー日本代表のように「地獄の合宿に挑戦したらいい」 (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun

 横浜GRITSは、2019年5月に設立されたデュアルキャリアを推奨するクラブチームである。かつての実業団のように社業をしながらアイスホッケーをするスタイルではなく、各選手がそれぞれ仕事を持ち、アイスホッケーと両立させていくスタイルだ。これだと現役時代から仕事を学び、引退しても仕事を一から学ぶ必要がなく、フルタイムで働くことが可能になる。両立は大変だが引退後の心配がなくなり、アイスホッケーにも集中することができる。

 池田は、デュアルキャリアに魅力を感じ、横浜GRITSへの入団を決めた。

「明大は、良い選手がたくさんいたんですけど、大学でやめてしまう選手が多かったですし、コロナ禍で仕事を失う人が多い中、僕は両方やれる環境を手に入れられて幸せでしたね」

 池田は今、食品の貿易会社に勤めている。練習は、朝8時30分から9時45分まで行ない、それから家に戻り、着替えて12時に家を出て、13時に出社する。最初はこのサイクルに慣れず、運転中に眼がしょぼしょぼすることがあった。

「でも、練習も仕事も妥協できなかったですね。どちらかを適当にしてしまうとデュアルキャリアの意味がなくなるので、仕事もアイスホッケ―も100%で頑張ることが大事だと思っています」

 横浜GRITSは、昨年、アジアリーグに参加した。

 アジアリーグとは日本のチームが5チーム、韓国、ロシアのチームが1チームずつ計7チームでホーム&アウェーを戦い、優勝を争うリーグ戦だ。昨年はコロナ禍の影響で国内チームだけで争い、GRITSは18試合2勝16敗。ただ、2勝は3月の試合予定の相手チームがコロナ感染拡大により出場辞退したための不戦勝で、実質的には未勝利で終わった。

「リーグ戦では、ひとつ勝つことの難しさを改めて感じました。大学時代は、勝つのが当たり前だったんですが、勝ち方というのを昨年、僕はこのチームに還元することができなかった。やっぱり勝ち方を知っている選手がチームを勝利に導くのが大事なことなので、自分がそれをチームに伝えていきたいですね」

 今シーズンは、9月11日からスタートする。

「昨年は、勝ちがつかなかったので、今年は1つでも多く勝ちたいです。昨年1年戦って相手チームの特徴がわかったので、今年はそれを考えて戦っていきたいですし、うちはそれができるチーム。練習時間は他より少ないけど、みんなスマートですし、チームワークでは負けないと思うので、横浜のファンにひとつでも多くの勝利を届けたいと思っています」

 池田は、今シーズン、2年目でオルタネートキャプテン(副キャプテン)になった。チームの期待は大きく、池田もそれを自覚している。

「個人的には昨年の結果(6得点8アシスト)を越えることはもちろん、勝利に届くゴールを決めて、見えないところでもチームをサポートしていきたいですね。得点王も狙っていきます」

 リーグ戦ではOJI EAGLESが抜けているが、まずはひとつずつ順位を上げていくことがGRITSに求められる。

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