2021.06.22

楢﨑智亜は完全勝利、野中生萌は日本新。東京五輪でメダル獲得に向けて視界は良好

  • 津金壱郎●取材・文・撮影 text & photo by Tsugane Ichiro

 スポーツクライミングの日本代表3選手にとって、これまで積み重ねた日々への自信を深める大会になったようだ。

 6月18日・19日に岩手県盛岡市で『コンバインド・ジャパンカップ2021(以下CJC)』と『スピード・ジャパンオープン(以下SJO)』が開催され、東京五輪前の国内最後の大会に日本代表の野口啓代、野中生萌、楢﨑智亜の3人が顔を揃えた。

3種目とも高いレベルを披露した楢﨑智亜3種目とも高いレベルを披露した楢﨑智亜 この記事に関連する写真を見る  東京五輪のコンバインド種目は『スピード』『ボルダリング』『リード』の3種目の複合成績で争われるが、この大会のコンバインド種目は2024年パリ五輪で採用される『ボルダリング』と『リード』の2種目。そのため野口、野中、楢﨑は今夏の五輪を想定したシミュレーションの一環としてSJOにも出場し、3種目で順調にステップアップしていることをアピールした。

 ボルダリングとリードで圧巻のパフォーマンスを見せたのは野口啓代だった。決勝のボルダリングは3課題中2課題を完登し、リードでもTOPホールドまで3手に迫り、両種目で1位になってCJC2021の優勝を飾った。

「今シーズンはジャパンカップでもW杯でも、あまりいいパフォーマンスはできていなかった」と振り返る野口にとっては、順位以上に両種目での内容に大きな手応えを得たようだ。

「国内最後の大会で、五輪前に優勝して自信をつけることができました。ボルダリングもリードも集中できていて、自分らしいトライができたのがよかったですね。ボルダリングの完登で、久し振りにすごくうれしい気持ちになりました。

 リードは最後のところ気合で高度を稼ぎましたが、五輪を見据えると持久力はまだ足りないなと感じています。収穫もあったし、課題も見つかったので、本番までにもっと高めていきたいです」

 野中はボルダリング、リードとも2位で、コンバインド成績は2位。予選のみ出場したSJOでは日本新記録となる7秒88をマークし、充実した表情を見せた。

「普段の練習から7秒台は出せていたので、やっと本番で日本記録が出せて、記録に残せたのはうれしいです。ボルダリングとリードも自分の登りがしっかりできたので高評価です」