内村航平が4度目の五輪出場のためにクリアすべき条件とは

  • 折山淑美●文text by Oriyama Toshimi
  • photo by Naoki Morita/AFLO

 2008年北京五輪個人総合の銀メダル以来、12年ロンドン大会と16年リオデジャネイロ大会を連覇し、世界選手権では15年まで6連覇を果たして世界の男子体操を牽引する内村航平(ジョイカル)。17年以降は故障が続き、19年全日本選手権は両肩のケガが響いて予選落ちし、世界選手権代表を逃していた。

5月のNHK杯では、時折笑顔を見せていた内村航平5月のNHK杯では、時折笑顔を見せていた内村航平 その後も肩の痛みは引かず、肩に負担がかかる種目の練習を満足にできないなか、20年6月に東京五輪出場を目指して種目を鉄棒のみに絞ることを決断した。

 東京五輪は、団体枠がリオ五輪より1名減って4名。その代わりに種目別に限定した、各国最大2名までの「個人枠」が設定された。18~20年に開催された種目別ワールドカップの各種目の順位ポイントで、上位3大会のポイント合計で1位になった6名(各国1名のみ)が出場権を得る。

 このほか、20年個人総合ワールドカップのポイント合計上位3カ国に各1名ずつの出場枠が与えられることになっていた。だが、昨年はコロナ禍で個人総合ワールドカップが2試合中止になり、4戦中3戦以上という条件が成立しなくなったため、今年2月に19年世界選手権個人総合予選の上位3カ国に枠を与えることが決定。日本はその枠のひとつを獲得した。

 種目別ワールドカップに出ていなかった内村は、日本が獲得したその1枠での五輪出場を目指している。日本体操協会は、4月の全日本個人総合選手権の予選と決勝、5月のNHK杯、6月の全日本種目別選手権の予選と決勝の5演技をその選考の対象にした。

 各大会終了時の種目別得点の暫定世界ランキング1位の得点(19年世界選手権と種目別ワールドカップ4試合に加え、国内選考会の全日本個人総合、NHK杯、全日本種目別の計8試合を対象に作成)と比較し、その得点を0.200点上回ると「40ポイント」、上回った点数が0.200点以下なら「30ポイント」、以下も順位と比較して「20〜5ポイント」が付与される。つまり、5演技で獲得できるのは最大で200ポイントとなる。

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