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内村航平が4度目の五輪出場のためにクリアすべき条件とは (2ページ目)

  • 折山淑美●文text by Oriyama Toshimi
  • photo by Naoki Morita/AFLO

 ゆか・あん馬・つり輪・跳馬・平行棒・鉄棒の6種目のうち、総ポイントの最上位選手ひとりが代表になるが、種目別で金メダルを獲れる可能性が高い選手ひとりを選ぼうという思惑だろう。

 4月16日の全日本予選から始まり、6月6日の全日本種目別決勝まで長い戦いが続いている。「本当に長いですね。試合をやると1種目でも体力、気力を使うので、その回復と練習のバランスがすごく難しいと感じています」と言う内村だが、ここまでの道のりは順調だ。

 H難度のブレットシュナイダーとG難度のカッシーナ、E難度のコールマンなど4種類の離れ技を含む、各技の難易度点を合計した難易度価値点(Dスコア)6.6点という高レベルの構成で挑み、全日本予選は15.166点で決勝は15.466点。そして5月のNHK杯では、着地で少し動いたが15.333点を獲得。

 これを全日本、NHK杯終了時の暫定世界ランキング(鉄棒)1位の15.000点と比較してポイント化すると、内村の全日本予選の得点は1位と0.200差以下なので30ポイント、決勝とNHK杯は0.200差以上なので40ポイントになり、合計110ポイントを獲得した。

「自分が目指していたものとはちょっと違いましたが、ミスなくやれたことに関してはよかったです。着地は狙っていった結果、動いているので課題ですが、前の全日本の時は狙えていなかったので、その点はよくなっていると思います」(内村)

 体操協会の水鳥寿思(ひさし)男子強化本部長は、NHK杯の内村の演技を「練習の過程も、現地に入ってからの様子もすごく余裕があって、4月の全日本より調子も上がってきているので、見ていて安心感がありました。得点に関しても五輪であの演技を出せば、金メダルの可能性は高いと思います」と評価した。

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