2020.10.27

体操ニッポン復活のリオ五輪。内村航平が切り拓いた「新時代」

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

PLAYBACK! オリンピック名勝負ーー蘇る記憶 第39回

スポーツファンの興奮と感動を生み出す祭典・オリンピック。この連載では、テレビにかじりついて応援した、あの時の名シーン、名勝負を振り返ります。

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2016年リオデジャネイロ五輪体操男子団体で金メダルを獲得した日本メンバー 日本の体操男子団体は、2004年のアテネ大会で優勝して以降、五輪は2大会連続、世界選手権は5大会連続で中国に阻まれて優勝を逃していた。長く頂点に手が届いていなかったが、16年リオデジャネイロ五輪前年の世界選手権で37年ぶりに金メダルを獲得。リオ五輪は大きな期待を背負って臨んだ大会だった。

 世界選手権で個人総合6連覇を達成したエース内村航平を柱に、前回のロンドン五輪を経験している加藤凌平、田中祐典、山室光史。加えて、15年世界選手権の種目別ゆかで金メダルを獲得し、跳馬でも決勝に進出した当時19歳の白井健三もメンバーで、戦力はそろっていた。選手たちの目標は「アテネ超え」。その可能性は十分だった。

 だが予選は、ミスが出た前回のロンドン五輪を思い出させる結果になってしまった。

 最初のあん馬と次のつり輪を3選手が14点台後半でしのぎ、跳馬で全体のトップ得点を出して勢いを取り戻したが、高得点が見込まれた平行棒で田中と山室にミスが出て、それぞれ13点と12点台。鉄棒では内村が落下し、さらに最後のゆかは16点台の高得点が予想された白井が失敗して得点を伸ばせなかった。予選の結果は4位。決勝は、慣れているゆかから始まるローテーションではなく、日本が苦手とするあん馬、つり輪と続くスタートになった。