1年後は桃田賢斗も安泰ではない。東京五輪での勢力図を占う (4ページ目)

  • 平野貴也●文 text by Hirano Takaya
  • photo by kyodo news

 なにしろ、通常のカレンダーとは大きく異なってくる。たとえば、試合が行なわれずに経験を積むことができないなかで、若手がどれだけ成長するのか。むしろ、調整が難しく、経験豊富な選手が有利になるかもしれない。

 日本は、代表合宿を中心に強化を進めて実績を挙げてきたが、現在は予定していた代表合宿をすべて中止しており、これまでにない調整方法を強いられている。もともと選手や国によって強化方法は異なるが、そのばらつきがこれまでとは違う形で表われる可能性は否めない。

 今後は、活動拠点とする国の状況によって調整環境に差が出てくる点も考えられる。各国で人の出入りを封鎖するロックダウンが行われるなか、日本では全国に緊急事態宣言が発令されており、外出自粛の要請がかかっている。一方、中国の武漢では、都市封鎖が解除されて行動の規制は緩和に向かっている。

 新型コロナウイルスが蔓延し始めた当初、バドミントン界では、2月にフィリピンのマニラで行なわれたアジア団体選手権に、中国と香港、そしてインドの女子代表チームが参加できなかった。当時、危険な地域とされており、入国制限がかかったためだ。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る