2020.01.15

高梨沙羅が地元で表彰台を逃すも、
今季を「すごく幸せ」と楽しんでいる

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 藤巻剛●写真 photo by Fujimaki Goh

 今季のスキージャンプ女子W杯、第4戦と5戦になる、札幌大会が大倉山ジャンプ台で、1月11日から行なわれた。第2戦で3位になって総合6位につけている高梨沙羅(クラレ)の地元表彰台が期待されたが、残念ながらそれは果たされなかった。それでも高梨の表情は落ち着いていた。

 大倉山では珍しい、追い風の中での戦いとなった大会初日。シーズン開幕からアプローチ姿勢が安定せず苦しんでいたという高梨だが、1本目のジャンプはスムーズに空中に飛び出すと、秒速0.66mの追い風の中で126mまで飛距離を伸ばして3位につけた。

地元・北海道で優勝は逃したものの、得たものがあると語った高梨沙羅 トップに立ったのは、昨季のW杯ではポイント獲得0で、今季は第2戦で9位になっているのが最高位の、マリタ・クラマー(18歳・オーストリア)の131m。2位はW杯総合2連覇中のマーレン・ルンビ(ノルウェー)で127m。4位と5位までが接戦となった。

 2本目も追い風の条件で、1本目と同じゲートからのスタートながら、高梨は132.5mまで飛距離を伸ばした。空中で少し力んだのか、着地はうまく決められず飛型点は1本目より低い51点で、合計は262.3点だった。

 その他の選手の2本目は、開幕戦2位で総合4位のエバ・ピンケルニッヒ(オーストリア)が134mで最終的に3位。次のルンビは追い風が0.17mと弱まった中で、W杯ヒルレコードの139mの大ジャンプを記録するも2位。1本目トップだった最後のクラマーが、ゲートを1段下げながらも135mで逃げ切って初勝利をあげた。

 高梨は4位という結果を受けて、こう話した。

「年末年始に地元に帰ってミディアムヒルとノーマルヒルの練習をして、そこでスタートの切り出し方を少し変えてみたんですが、それがうまくハマっているという感じです。シーズン最初とは違って、足の裏の感覚を意識しながら素早く自分のポジションに落として込めていると思うし、コーチからもアプローチ自体はよく乗れてきていると言ってもらえているので、今の組み方でやっていこうと思います」

 昨シーズンや今季の開幕戦などは、映像を見ていても踏み切りで上体が少し先に動いている感じがあった。だが、この札幌大会では以前のように一発で飛び出しを決められるようになっていた。その手ごたえを掴んだことが、表情が落ち着いていた理由である。まだ鋭さが足りない点が現在の上位との差でもあるが、そこは高梨もよくわかっている。