ツール・ド・フランス開幕。
「100年目のマイヨ・ジョーヌ」は誰の手に?
現地7月6日、第106回ツール・ド・フランスがベルギーのブリュッセルで開幕する。
23日間におよぶ世界最大の自転車レースは、大会3日目にフランス入りし、山岳が多いフランスの東半分に片寄って走り続け、最終日となる7月28日にパリ・シャンゼリゼに凱旋する。
マイヨ・ジョーヌを着て凱旋門を走るのは全レーサーの夢だ 今回の大会の注目点は、総合1位の選手が着用する黄色いリーダージャージ「マイヨ・ジョーヌ」が創設されて100年ということだ。
大会は1903年に始まったが、2度の世界大戦による中断期があり、2019年で106回目。実は最初からマイヨ・ジョーヌがあったわけではなく、「誰が首位なのか、わかるようにしてほしい」という記者の意見で、1919年に誕生したのである。
栄光の象徴であるリーダージャージに黄色が採用されたのは、当時の主催スポーツ新聞の紙が黄色だったことから。以来、黄色はツール・ド・フランスのシンボルカラーとして親しまれている。
もうひとつの記念事としては、ツール・ド・フランス最多の5勝を挙げているベルギーの元自転車選手、エディ・メルクスの初制覇から50周年ということ。
ベルギーで開幕するのも、その業績を讃えるためのものだという。大会最多の5勝を達成している選手は他にも3選手(ジャック・アンクティル、ベルナール・イノー、ミゲル・インドゥライン)いるが、今年は現在4勝のクリストファー・フルーム(イギリス)がタイ記録に並ぶかが話題となっていた。
フルームは2018年も最多勝タイに並ぶチャンスがあったが、不運なアクシデントや思わぬ不調があって、開幕時はアシスト役だったチームメイトのゲラント・トーマス(イギリス)に総合優勝を譲った。
しかし、あと1勝で伝説の選手らに並ぶ。2019シーズンを迎えるにあたって、「ツール・ド・フランスで5勝目を挙げる」とフルームは公言した。
チームメイトで、同じイギリス選手のフルームとトーマス。同じようなタイプの選手でもあり、どちらが勝ちにいくのか、仲がいいのか悪いのか、このあたりが最大の争点だった。
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