海外メディアは宇宙人と命名。小林陵侑がW杯総合優勝へ驀進中だ (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 photo by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 冬シーズンに入ってからも好調を維持。W杯初戦のビスワ大会では、「10月にひざを痛めていたので不安もあった」ものの、初表彰台となる3位に。1本目は、ヒルサイズ超えの137.5mを飛びながらも手をついて転倒。2本目はコーチリクエストでゲートを1段下げ、さらに追い風の条件でも127mまで飛距離を伸ばした。

 次のルカ大会では、1本勝負になった初戦で優勝すると、翌日の2戦目は1本目でトップ、2本目はコーチリクエストで2段ゲートを下げながらもヒルレコードの147.5mを飛んで圧勝し、勢いをつけた。

 その後は3位、1位、7位と続き、12月16日のエンゲルベルク大会第2戦から、1月12日のバルデフィエメ第1戦まで6連勝。その間にあった12月30日から1月6日までのジャンプ週間では、過去66回の歴史の中でスベン・ハンナバルト(ドイツ)とカミル・ストッフ(ポーランド)のふたりしか成し遂げていない4戦全勝での総合優勝もあっさりと果たした。

 そのジャンプは、ひとりだけ別次元をいっているようだった。

「海外のメディアなどで宇宙人と言われたのはビックリしましたけど、去年のジャンプ週間でグランドスラムを達成して、ソチ五輪と平昌五輪で3個の金メダルを獲得しているストッフ選手や五輪2冠を2回やっているシモン・アマン選手(スイス)にリスペクトしていると言われたのがうれしかった」

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