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髙木美帆、多忙なメダリスト生活のなか
「スケートの女王」戴冠も果たす (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AFLO

 だが、今大会は最初の300mで0秒33差をつけると、1周ごとに徐々に詰められながらも、0秒07差で逃げ切って1位になり、見事に世界選手権と平昌五輪の雪辱を果たした。

 その時点でブストとのポイント差は1.161点。最終種目の5000mでのタイム換算は11秒61と大きなアドバンテージとなった。昨年はブストに9秒28差をつけられた種目だが、今年の髙木はその進化を証明するような滑りを見せた。

 最初から飛ばすブストに2600m通過では1秒51差をつけられながらも、そこから盛り返す。そして、ラスト2周で36秒台のラップタイムを維持するブストに対して髙木も37秒台で粘り、その差を3秒08に抑えてゴール。

 最初の種目である500mから一度もトップを譲ることなく逃げ切った髙木は、この大会で、男女を通じて欧米選手以外では初のタイトルを獲得した。これは中・長距離を専門にするオールラウンダー選手にとっては憧れのタイトルでもあり、「クイーン・オブ・スケート」とも讃えられる王座だ。

 平昌五輪での金・銀・銅コンプリートに続いて、髙木はシーズン最後の戦いで"女王"に輝き、日本スケート界にとって歴史的な1ページを刻んだ。

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