2018.02.09

渡部暁斗「金メダルを獲っても
レースがつまらなかったら意味がない」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 五十嵐和博(人物)、赤木真二(競技)●写真

渡部暁斗インタビュー(2)

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平昌五輪直前のW杯白馬大会でも好調な姿を見せた 2月9日に開幕する平昌五輪に向けて好調を維持している渡部暁斗は、昨年の夏からジャンプの飛び出しの意識を少し変え始めたという。確かに今季の踏み切りは、以前より少し前方に向かって飛び出していると感じる。

 彼はその理由をこう説明する。

「最終的に結果を出したいというのはありますが、僕の中にずっとあるのは自分のジャンプがカッコよくないなということなんです。もし今自分が子供で、今の選手のジャンプを見て誰に憧れるかといったら、決して渡部暁斗ではないですね。

 確かにコンバインドの結果だけだったら、今のジャンプでも前半1位になれているので問題はないでしょう。でも、やっぱり自分がカッコいいと思うスペシャルジャンプの人たちのように、キレよく飛び出して、すごく速いスピードで空中を通過していくというジャンプにはほど遠いものがあるので。

 今季は『いいジャンプをした時はカッコよくなってきている』と感じていますが、まだそんなに大きく変わっていないし、あまり結果にも現れていないので、まだまだやらなきゃいけない。だからこそ、平昌を見ていないというか、そこは通過するだけで、もしかしたら3月からジャンプを変えることを考えてもいいとも思うし......。

 まだ改善に対する欲は大きいですね。ただ、僕も平昌で金メダルを獲らなくてもいいと思っているわけではなくて、むしろ獲りたいと思っています。だけど、(競技人生は)そこで金メダルを獲ったら『はい、終わり』というわけじゃないですから」