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ジョージア出身・栃ノ心は、
なぜ「親方の不祥事」をプラスにできたのか (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

 6年前に平幕優勝を経験した友綱親方は、「無心でやっていたのがよかったし、内容も素晴らしかった」と栃ノ心を絶賛する。

 その友綱親方が優勝した2012年の夏場所は、大島部屋から友綱部屋に移籍して最初の場所だったため、「新しい部屋を盛り上げたい」と思いながら土俵に上がっていたという。そのときと事情は違うが、今場所中に春日野部屋の元力士による暴行問題が発覚したことに対し、友綱親方は「そういう状況だったから、"部屋のためにも頑張る"という気持ちはあったと思う。自分もそうだったけど、力士には"部屋のため"という気持ちが絶対にあるからね」と、栃ノ心の心情を慮(おもんばか)った。

 三役経験者が幕下に落ちてからのカムバック優勝は、1981年秋場所の琴風(現尾車親方)以来。琴風は、その場所後に大関に昇進している。さらに、栃ノ心は2014年の秋場所に十両で全勝優勝を決めているが、昭和以降で"十両全勝V"を果たしたのは、栃光、豊山、北の富士、把瑠都のみで、その全員が大関以上に昇進している。

 そんな例も追い風に、「もっと上を目指して頑張ります」という栃ノ心が、大関、さらにその上を目指して突き進む。

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