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50歳のトレイルランナーが難関レースへ。
松田丈志がその真意を問う (3ページ目)

  • 松田丈志●文 text by Matsuda Takeshi

 競泳は実際のレースでは身体的なスプリント能力も持久力も求められる。

 一方、技術面では水中という私たち人間が普段生活していない環境で行なわれる競技だけに、水中で抵抗の少ない姿勢を保てるか、推進力を生むために水にうまく力を伝えられるかなど、繊細な技術や感覚の要素も大きくパフォーマンスに関わる。

 これらの技術はある程度時間をかけてその環境にいないと、習得できないし、保てないし、伸びない。要は、競泳は感覚、技術を養うのに凄く時間がかかる。つまり若い時から水に親しんでおり、さらにたくさんのトレーニングをこなす体力も必要だ。

 さらに長いスパンで見たら、技術習得のためにも、幼少期から時間をかけて、トレーニングをこなすだけの身体の強さも求められるということだ。

 それらすべてを掛け合わせると、競泳は傾向として、若い選手層の競技となるのだと思う。それらの掛け算の大きい選手は若くして活躍できるチャンスがあるし、どんなに身体能力が高い人でも、大人になって急に水泳選手になりたいといっても、そもそも技術の習得が追いつかないので、競泳選手として活躍するのは容易ではない。

 では、トレイルランニングに求められる能力とは何なのだろうか。

 次に浮かんだ疑問はモチベーションだ。

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