50歳のトレイルランナーが難関レースへ。
松田丈志がその真意を問う
トレイルランナー鏑木毅、50歳の挑戦 プロローグ
50歳で世界最高峰のトレイルランニングレース、UTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)に挑む。UTMBとはモンブランの山道160kmあまりを20時間以上かけて走り続ける過酷なレースだ。
初めて聞いたときは、ただ、完走することを目標とした挑戦かと思った。
しかし、それはプロトレイルランナー鏑木毅さんが挑むビッグプロジェクトだった。
昨年11月、来年2019年のUTMB挑戦を表明したプロトレイルランナー、鏑木毅(鏑木毅プロフィール)
かぶらき・つよし 1968年生まれ。群馬県出身。群馬県庁に勤めていた28歳の時にトレイルランの大会に初出場し、初優勝。41歳でプロのトレイルランナーに。国内外の競技大会を制覇し、2009年、世界最高峰のウルトラトレイルレース「ウルトラトレイル・デュ・モンブラン(現UTMB)では世界3位に。現在は競技者の傍ら、講演会、講習会、レースディレクターなどを精力的にこなし、国内でのトレイルランニングの普及にも力を注いでいる。
(松田丈志プロフィール)
まつだ・たけし 1984年生まれ。宮崎県出身。競泳選手として、アテネ、北京、ロンドン、リオと4度、五輪に出場。北京での200mバタフライほか、4つのメダルを獲得した。引退後はキャスターとして水泳にとどまらず、幅広くスポーツを取材。『スッキリ』(日本テレビ)、『S-1』(TBS)の番組出演やコラム執筆などで、その魅力を伝えている。
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2017年11月20日、鏑木選手が2年後の2019年UTMBに50歳で再び挑戦することを発表した。
最初にこのニュースを聞いた時、いくつかの疑問が浮かんだ。
まず、その年齢だ。
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