高梨沙羅、3戦目でようやく3位も、ライバル出現に「ワクワクする」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 試合前にこのリレハンメルのジャンプ台について「得意ではないけれど、相性はいいと思う」と高梨は話していた。昨年の開幕戦連勝を含め、過去5勝しているジャンプ台だからだ。だが今回は、相性がよかったとは言えない。結果を見れば第1戦は優勝したルンビに19.5点差をつけられ、第2戦は優勝のカタリナ・アルトハウス(ドイツ)には23.5点差、2位のルンビには19.1点差をつけられる完敗だった。

 かつては、得意ではないジャンプ台で、なおかつ完璧なジャンプができていなくても、力の差が大きかったために勝てていたのだろう。しかし、今年はルンビやアルトハウスが、高梨並みに踏み切りの精度を上げてきたうえに、力強さも身につけてきている。

 その状況を高梨は「全体的に世界のレベルが上がっていることを痛感させられる試合でした。テイクオフの精度や空中の通過の仕方がよくなり、かなり距離を飛んでも着地でテレマークをしっかり入れる選手たちが多くなっている」と話す。結局、最終日のラージヒルでも高梨は3位に入ったとはいえ、優勝したアルトハウスには32.4点差をつけられ、完敗といわざるを得ない結果だった。

「1本目は踏み切りのタイミングを外してしまって、うまく空中につなげられなかったですが、2本目はしっかりと気持ちを切り換えて、いいイメージで臨めました」と振り返ったように、この日の2本目のジャンプは、高梨らしいキレが少し戻ってきていた。

「今回は海外のレベルの高さを感じたので、自分を強く持って次の試合に向けて問題点に集中して取り組んでいきたいと思います。もう少しジャンプ台のGを感じ、テイクオフでスムーズに立ち上がれるようなアプローチをすることと、ジャンプ台に自分の力をしっかり伝えられるようにすること。それにもう少し、キレのある踏み切り動作をできるように練習していきたい」

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