【月刊・白鵬】休場中に断食で10kg減。4横綱そろう九州場所で復活へ (3ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 さて、冒頭でも記した『大相撲beyond 2020場所』。昨年に引き続き、今年も秋巡業が始まる前日に行なわれました。3年後の東京オリンピック・パラリンピックの機運を盛り上げることはもちろん、日本文化の魅力を発信するとともに、2020年以降のレガシー創出のための文化プログラムでもあります。

 イベント当日は、外国人をはじめ、高齢者の方々、子どもたち、障がい者の方々など、およそ3000人が来場。その中で我々力士たちは、相撲の基本動作や髪結いの実演、子どもたちと関取衆との稽古や、櫓太鼓(やぐらだいこ)の打ち分け、さらに横綱による綱締めに、三段構えの実演、そして幕内、横綱の土俵入りなどと、大相撲の魅力を存分に披露させていただきました。

稀勢の里と披露した「三段構え」稀勢の里と披露した「三段構え」 あまり聞き慣れない「三段構え」というのは、相撲の型を3つに集約した「上段」「中段」「下段」構えのことで、横綱によって実演されるものです。昨年、日馬富士と鶴竜が20年ぶりに披露して話題になりました。

 昨年の秋場所を途中休場した私は、今回初めて「三段構え」に挑戦。力士の模範となる型の披露とあって、さすがに緊張感がありました。無事にやり終えたあとは、ホッとしましたね。

 こうした、いろいろな儀式を務め上げることも横綱の大事な仕事です。ですから、横綱というのは基本的に"休日"はないもの、と私は考えています。それだけに、本場所を全休し、巡業にも出られないことは、心苦しいばかりでした。

 そんな思いもあって、休場した秋場所の間、私は"あること"に取り組みました。それは、断食です。

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