【月刊・白鵬】横綱が明かす「気持ちが入りすぎた」最多勝記録の更新 (3ページ目)
名古屋場所が終わり、夏巡業が始まるまでのわずかな休暇中、私は故郷のモンゴルで過ごしていました。モンゴルの短い夏を味わいたいということもあったのですが、このたびウランバートル市内に初めて大相撲と同じ土の土俵が作られ、その贈呈式に参加する役目もありました。
現在、大相撲の世界には30人近いモンゴル人力士がいます。それなのに「なんで、(モンゴルには)これまで土俵がなかったの?」と、不思議に思う方もいるかもしれません。
モンゴルで盛んなモンゴル相撲の場合、その大会は草原で行なわれます。ゆえに、土俵というものは存在せず、子どもたちの相撲大会を行なうときなどは、体育館にマットで土俵を作って対応していました。また、土俵を作るためには、専門的な技術が必要で、一度作った土俵を維持していくのも結構大変なことなんです。
それが、今回はついに実現。大相撲の土俵は呼び出しさんたちが作るのですが、今回は名古屋場所の仕事を終えた彼らにウランバートルまで飛んでもらって、最終的な仕上げを依頼。それで、なんとか真新しい土俵が完成しました。私が所属する宮城野部屋の呼び出し・隆二さんや、同じく友綱部屋の旭さんには本当にお世話になりました。
完成した土俵には、これから吊り屋根と観客席もつけて、モンゴルでも相撲大会が開催できるように整備していく予定です。この土俵から、私が主催する『白鵬杯』や、さらには大相撲界入りを目指す、たくさんの少年が育ってほしいと思っています。
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