2017.08.31

【月刊・白鵬】横綱が明かす
「気持ちが入りすぎた」最多勝記録の更新

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

第74回:最多勝利

名古屋場所(7月場所)では、元大関の魁皇が持つ
最多勝利記録(1047勝)を見事に更新した横綱。
最多優勝などに続き、またも偉大な記録を塗り替えた、
横綱の素直な思いに迫る――。
名古屋場所で目標としていた最多勝記録を塗り替えた白鵬
 およそ1カ月にも及んだ夏巡業が終了。8月28日には大相撲秋場所(9月場所)の番付が発表されました。

 さて、先月行なわれた名古屋場所(7月場所)を振り返ってみると、通算39回目の優勝を達成。そして、大きな目標としていた魁皇関が持つ通算最多勝利記録(1047勝)に追いつき、追い越すことができました。それだけに、本当に充実感いっぱいの場所でしたね。

 その最多勝記録の前には、あの大横綱・千代の富士関が打ち立てた1045勝という記録もありました。同じ横綱として、偉大なる先輩が達成されたこの記録に「まずは追いつきたい」と思っていました。場所前は、その思いが相当強かったです。

 そうして臨んだ名古屋場所。ここ最近の中では、場所前としてはかなり納得できる稽古ができましたし、気持ちの面も充実していました。ただし、本場所の土俵では何が起こるかわかりません。私はその恐ろしさが十分にわかっていましたから、改めて気を引き締めて、初日を迎えるようにしました。

 序盤戦は、若手の元気な力士たちが果敢に挑んできました。4日目には若手の有望株である貴景勝(21歳)と対戦。その際には、土俵の中央で見合ってしまって、私が「来いよ!」とばかりに喝を入れるほど、私の士気も高まっていましたね。その後も、中日には話題の”アクロバット力士”宇良との対戦が組まれるなど、息の抜けない毎日が続きました。