バドミントン世界女王・奥原希望が、
東京でメダリストになるために

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 写真●新華社/アフロ

 8月21日~27日まで、イギリスのグラスゴーで行なわれたバドミントン世界選手権。最終日に行なわれた女子シングルス決勝は壮絶なゲームとなった。

金メダル獲得も、最初はあまり実感が湧かなかったという奥原希望金メダル獲得も、最初はあまり実感が湧かなかったという奥原希望 女子シングルス、日本初の金メダルがかかる試合に奥原希望(日本ユニシス)が登場。奥原自身、この決勝には特別な思いがあった。相手のシンドゥ・プサルラ(インド)は同じ22歳で、昨年のリオ五輪準決勝ではストレート負けを喫した相手。3位決定戦は相手の棄権による勝利だったことで、その惨敗の悔しさがより大きく残る銅メダル獲得だった。

「リオの悔しさは今でもあるし、『あの時こうしていればよかった』という反省が、ここまでの試合でも頭の中にあったので、世界選手権のセンターコートでシンドゥ選手と対戦できるのがうれしかった。五輪でできなかった自分らしいプレーを出してやるという気持ちでした」

 第1ゲームは中盤で5-11とリードされながらも追いつき、後半は4点リードしながらも追いつかれる目まぐるしい展開を21-19で先取した。第2ゲームも序盤のリードされた状態から追いつき、ジュースに持ち込んだものの、今度は20-22で取られた。特に最終ポイントは、奥原が相手を動かすラリーが73回も続いたが、最後は返球がネットに引っかかって失った。コートに倒れ込んだ奥原は、しばらく動けないほど疲労していた。

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