「ぐるぐる回る競技」の実力派アイドル、ラート日本代表・堀口文 (2ページ目)

  • たかはしじゅんいち●文・撮影 text & photo by Takahashi Junichi


「ラートに出会った時、これだ!と思いました。ラートに乗っている時の感覚が、手足のように一体化したみたいで、ラートが思い通りになることがとても面白かったんです。そして、そうなった時の動きの美しさ、一瞬の輝きに、アッという間に夢中になりました」

 ラートを始めた当初から才能を発揮した堀口は、2010年から2012年まで、全日本学生ラート競技選手権大会で史上初の総合3連覇を達成(この記録はいまだに破られていない)。以来、常にトップ選手として日本のラート界を牽引してきた。

胸の日の丸が代表の証。耳には勝負ピアス胸の日の丸が代表の証。耳には勝負ピアス

 国内トップ選手として日本代表チーム入りした堀口は、2014年にドイツ・ベルリンで開催された世界チームカップにも出場。この大会で日本は、強豪ドイツを破って悲願の団体優勝を果たした。これまで団体戦でドイツ以外の国が優勝したのは日本だけだ。彼女はそのまま、個人のスキルと経験値を上げるためドイツに残り、ラート留学をした。

「ドイツ語に苦戦し、練習も日本にいる時ほど十分にはできませんでした。でも、ドイツ選手たちのラートと一体感のある演技に刺激を受け、世界一への道筋が見えました」

 そして帰国したあの日、冒頭のアクシデントが発生したのだった。

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