東京五輪へ注目。美女クライマー野口啓代が、ボルダリングJCを制す (5ページ目)
「ほかの人の登りを観察するのが好きだからでしょうかね。普段からいろいろな人がどういう登り方をするかを、たくさん見ています。私にない体の動かし方だなとか、こういう登り方がこの人の特徴だなとか。登り方だけではなく、試合中のメンタルのコントロールの仕方なども含めて、本当にいろいろな部分を観察していますね。それが試合で役立っているのかもしれません」
決勝ラウンドの2課題目は、加島と野口のふたりが完登したが、核心部(※)のムーブはまるで違った。同じ課題でも体格や自らの特長を生かしたムーブによって、多種多様な登り方があるのがボルダリングの醍醐味であり、楽しさである。
※ 課題の中で最も難しいと選手が考える場所
その楽しさが広く浸透したからこそ、国内でこれほどまでに普及したのだ。ただ、現状は "観る"領域の奥深さに気づいている人は多くない。だが、未経験者でも、ルールを知らなくても、課題を登るために制限時間内で創意工夫を凝らす選手たちの姿を観れば、その魅力に引き込まれるはずである。
今回のBJCの舞台となった埼玉県加須市では、4月23日、24日にWCボルダリングが開催される。日本での開催は実に9年ぶりのこと。世界のトップクライマーとともに、今大会で準決勝に進出した選手たち(※)が、男女ともに顔をそろえる。もちろん、女王に返り咲いた野口も出場する。
※ワールドカップは出場に年齢制限があり、開催年の誕生日で16歳になる選手からとなっているため、BJC20位以内の選手でも、これをクリアしていない選手は出場できない。
「今回よりもワールドカップの時は課題がもっと難しくなるでしょうし、しっかり調整して臨みたいです。世界中から素晴らしい選手たちが出場するので、もっと多くの方に会場から応援してもらえるとうれしいですね」
BJC2016結果
[女子]
1位 野口啓代
2位 加島智子
3位 野中生萌
4位 伊藤ふたば
5位 渡邊沙亜里
6位 田嶋あいか
[男子]
1位 藤井 快
2位 杉本 怜
3位 山内 誠
4位 石松大晟
5位 渡部桂太
6位 堀 創
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