2016.02.01

43歳でW杯3位の葛西紀明。狙うは「平昌のメダルと国民栄誉賞」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田純●写真photo by Tsukida Jun

 秒速0.5m前後の風が終始吹き続け、ほぼ均一の条件で行なわれた1月30日のスキージャンプW杯札幌大会初日。葛西紀明は、魅せるジャンプを飛んだ。前日の公式練習後に、「助走の滑りはまだしっくりきていなくて迷いもあるけど、踏み切りの方向やジャンプ台への力の伝え方はいいので、多少条件が悪くても距離が出ている。今の状態でもトップ10に入れることを確認できた」と話していた通りの結果だった。

今大会で3位表彰台の結果を残し、さらにW杯最年長優勝の更新を狙う葛西紀明 1本目は日本チームの横川朝治ヘッドコーチが「葛西の場合は踏み切りのタイミングを多少外したくらいがピタリとくるけど、1本目はきれいに立ったためジャンプ台を押す力が少し甘くなった」と分析。完璧ではないジャンプながらも、124.5mを飛んで8位につけた。

「いつも通り」という踏み切りで飛び出した2本目は、133・5mまで飛距離を伸ばし、着地のテレマーク姿勢もピタリと決めて145.6点を獲得。今季7勝と絶好調のペテル・プレブツ(スロベニア)には3m及ばなかったものの、合計で4位に食い込む。

「僕のあとの選手の条件が少し悪くなれば表彰台もあるかと思ったけど、逆に良くなっちゃいましたからね(笑)。助走でちょっとスピードが出ていないのが気になるところですが、滑れるポジションにすると、テイクオフが悪くなっちゃうというのを今シーズンは繰り返していて。ベストのポジションが見つからないので6~7番(ゲート)くらいをフラフラしている感じなんです」