スポルティーバ句会。名句はスポーツシーンから生まれる...... (4ページ目)
最多タイの4人から支持され4点句となった『夏の空走りながらも陰探す』(作者・市橋有里)は、共感を呼ぶ作品となった。
●堀本評
陸上部で走っていた経験上、よく理解できる句ですね。例えば夏の炎天下でロードを走るとき、どうしても涼しさを求めてしまうので、気がつくと陰のところばかり行ってしまう。そういうところにすごくリアリティを感じましたし、『夏の空』という季語が非常に効いている良い句だと思います。
●杉山評
昨日のことなんですけど自転車で街中を走っていて日差しがすごくきつかったんです。で、道路をまたいだ反対側は日陰になっている。あっちに行きたいなと思ったんですがなかなか信号がなくて行けない(笑)。学生のとき、部活でこんなことあったなって思い出したんですけど、偶然にもそのままの情景が描かれていました。
●作者(市橋)評
これは先日、実際に走っていて思い浮かんだ句なんです。暑いし、日焼けもしたくないし、ついつい日陰を探してしまっているなって。そう思った瞬間に詠めた句で、今回の作品の中で一番簡単にできたものです。そういう意味でリアリティがあったのかもしれませんね。
市橋有里氏のランナーの心情を表現した句に、みな高評価!
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