アマで15冠! 御嶽海が大相撲の土俵に上がる3つの理由
3月特集 アスリートの春 ~卒業、そして新天地へ~(3)
大相撲3月場所で、昨年のアマチュア横綱と学生横綱に輝いた大道久司(おおみち・ひさし/東洋大4年)がプロとしての第一歩を踏み出した。アマチュア相撲で最高のタイトルを2つ獲得し、幕下付け出し10枚目格の資格を獲得。昨年2月には出羽海部屋へ入門を表明し、場所前にしこ名も御嶽海(みたけうみ)に決定した。当初は、プロ入りする意向はなかった22歳。大相撲という厳しい世界へ挑む決意の裏には、名門再興とふるさとの復興という使命感があった。
名門・出羽海部屋の期待の星、御嶽海(右)
西に御嶽山、東に駒ヶ岳を望む長野県木曽郡上松町に御嶽海は生まれた。上松小1年で木曽少年相撲クラブに入り相撲を始め、地元の福島中、木曽青峰高から東洋大へ進学。180cm、145kgの恵まれた体からの力強い突き押しを武器に、4年時の昨年11月に学生横綱、12月にアマチュア横綱になるなど、個人タイトル15冠を獲得するなど、輝かしい結果を残した。
日本相撲協会の規定では国体、実業団、学生選手権、全日本選手権のうち、全日本と他の3つの大会のうち1つ以上で優勝し、1年以内に入門すれば、幕下10枚目格付け出しの資格を与えている。この制度が制定されたのは2000年9月。これまでは日大の市原(後の幕内・清瀬海)と、同じく日大出身で現在、幕内の遠藤のわずか2人のみ。御嶽海は遠藤以来となる偉業を達成したことになる。
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