【大相撲】舞の海が熱視線。「白鵬に迫る、動ける200キロ逸ノ城」 (2ページ目)

  • スポルティーバ編集部●取材・文 text by Sportiva
  • 村上庄吾●撮影  photo by Murakami Shogo

――その盤石の白鵬を止める可能性がある力士は?

「やはり、逸ノ城でしょうね」

――先場所は初三役で8勝7敗でギリギリの勝ち越し。壁がぶつかった感がありますが?

「いやいや、去年まで高校生ですよ(笑)。壁に当たっているなんて、言えないでしょう。初めての三役、ふつう4、5勝がいいところです。勝ち越すだけですごいことですよ」

――舞の海さんから見て、逸ノ城の強さはどこにありますか?

「体が大きいのに策士ですよね、立ち合いで当たっていくと見せかけて変化したり、寄って前に出るタイミングが絶妙であったり、勝ち方をよく知っていますよ。これはアマチュア時代の高校の先生の指導がよかったんでしょう。ふつう長年稽古を積んで身につくものなのですが、すでにそういうセンスを持ち合わせている。

 そして、体ですね。これまでの200キロの力士とはちょっと違うんです。過去の大型力士は上半身が大きくて、下半身が細い、あるいは両方ともと大きいのですが、逸ノ城は上半身だけ見ると、そう大きくなくて、下半身が大きくしっかりしての200キロ。下半身が細いと負担が大きくなって、ケガが多くなるんですけど、その心配も少ない。

 白鵬は丈夫と言いましたが、30になりますからね。これまで(先代の)貴乃花から千代の富士へ、千代の富士から貴乃花へと世代交代があり、バトンが渡りましたが、モンゴル横綱からモンゴル横綱へというシーンが遠くない未来にあるかもしれません。来年、横綱、大関は逸ノ城に苦しめられますよ」

――ただ、強いだけでなく、人気もありますよね。

「彼を見ていると迫力ある虎や熊というイメージは沸かなくて、何かアルマジロみたいな、かわいい動物が思い浮かぶんですよ(笑)。あと、彼はすぐに風呂に入らず、記者たちと何十分も話をしていますよ。そのあたりも好感度高いですね」

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